美術や絵にはとんと詳しくないのですが、何もないところから絵を描く画家という人の才能にはすごいものがあると感心します。
何かを見て描くなら何とかできそうな気がしますが、たとえそれが風景画であったとしても、なかなか絵心のない者には描けないものです。
絵を描くということは、おそらく誰かに教わるのではなく、先天的に生まれ持った才能なのだろうと思われます。
世界にその名をとどろかせる有名な画家たちは、確かに絵の勉強をしている人も多くいますが、もともと絵を描く素質を持っていて、そこからさらに伸びるための勉強であって、絵の描き方を勉強するためではなかったのではという気がします。
シャガールもロシアの美術学校へ入学していますが、それはもともと持ち合わせていた彼自身の才能をより開花することになりました。
その後はパリへ留学、色彩の魔術師と呼ばれる美しい絵を描く画家としての本領を発揮しています。
画家というものは、常に刺激を求めて世界中を留学して回ることで、己の才能を開花させるのかもしれません。
シャガールの描く美しい絵はパリを思わせることから、パリの街並みに刺激を受けたことは間違いなさそうです。
その後はロシアに戻ったり、アメリカに行ったりと、まさに各地を点々とした印象のシャガールですが、その人生をたどってみると、パリだけでなく、ロシアとアメリカから受けた世界観、そしてシャガール自身の悲しくも美しい恋愛体験から生まれた絵が魅力だと思います。