絵が好きな人にとって、シャガールの絵の魅力は何かと尋ねたら、なんといっても色彩の美しさだと答える人が多いのではないでしょうか。
画家によっては、全体に暗い色調の仕上がりの絵を描く人がいますが、こうした作品は全体的にどこか物悲しい雰囲気を漂わせるものです。
人それぞれ好みが異なるため、こうした暗い色調の絵にしっくりくるものを感じる人もいて、まさに絵の好みも千差万別だと感じさせられます。
絵についての造詣はまったくないのですが、シャガールはむしろそうした人に、純粋に絵の美しさを教えてくれる作品を描いた画家であるという気がします。
色合いが明るく美しいことや、作品のテーマが愛であったり、恋人であったり、結婚であったりと、誰もが自分の経験を通して絵画を見ることができ、その経験を絵画の中にリンクさせながら感情移入して見られることが、最大の特徴でしょう。
漠然とした世界を描く画家の作品にイマジネーションを感じたり、独特の世界観を見つけたりする人もいるでしょうが、シャガールの作品はどちらかというと伝えたいことをはっきりと描く作風だと思いますので、わかりやすさという点では文句なしだと言えます。
独特の世界観を描く絵画も面白いとは思いますが、家の中に飾るなら、見ていてよくわかる内容の絵を掛けた方が、精神的にもやもやしたものを感じないで済むのではないかと思います。
その点でシャガールは常に愛にあふれていて、理想的でしょう。