2014年9月アーカイブ

ロシアでユダヤ人の家庭に生まれたシャガールは、もともと写実絵画を習い極めた方ですが、それだけでは飽き足らずパリに出てキュビズムや前衛的な画風を確立しました。
シャガールの絵を見た方は、これなら誰でも描けるのではないかという方がいますが、それは大きな間違いです。
写実絵画を描いていた頃の彼の絵画を見れば、どれほどの実力がある画家であったかがわかるでしょう。
その写実絵画の実力が地金になっているからこそ、あのような前衛的な絵画を残すことができたのです。
その点では、どこかピカソに通ずるものがありますが、生前シャガールはピカソのことをあまり好きではなかったようです。
彼の創作活動は絵画だけにとどまらず、壁画やステンドグラス、そしてリトグラフや銅版画など、多岐にわたる創作活動に関わっています。
パリオペラ座の天井画を手掛けたことでも有名ですが、オペラ座だけでなく舞台を彩る舞台装飾にもその才能を遺憾なく発揮しました。