2014年8月アーカイブ

シャガールほど、一般の評価のわかれる画家もいません。
なんだかとらえどころがないおかしな絵と思う人もいれば、そこに果てしない空間を想像して恍惚となる人もいます。
これがシャガールだという印象は、きっと見た人それぞれによって違うのでしょう。
絵画に描かれている素材を見ると、牛や鶏などの動物などが多く、恋人や人物も多いのが特徴です。
好きな素材は何度でも描かれていて、同じ印象を持ってしまう方もいるでしょう。
その構図もかなり自由で、ほしいままに描いているという印象を受けます。
ですが、少し注意してみると、かなり意識的に描かれていることがわかるでしょう。
たとえば、わざと奥行きを出さない描き方をしています。
立体的に描くのが良い描き方だとされるなか、わざと平面的に描いているのです。
また、見えないはずの部分をデフォルメしてることもあります。
これは、どちらも見る側の想像力をかき立てる工夫をしているのではないでしょうか。
見たままの印象ではなく、見る側が考えて想像したものをその絵画に付け加えさせようとしているかのようです。